現実と理想の狭間で〜ゆりの日常 in London

イギリス・ロンドンに住んで4年目の日常。芸術と旅行が好き。

イギリスのここに文句がある。【不便なことや手に入りにくいものなど】ピアノ講師の目線。

こんにちは。

 

最近、友達の友達などイギリス留学や海外生活に興味ある人に、イギリスと日本での生活の違いやイギリスに住む上で知っておいた方がいいことなどを聞かれることがあります。

 

私は現在ロンドンに住み始めてから丸3年を突破した在英4年目に当たる者です。ここで気づいたのは、初めて住み始めた時やまだイギリス留学を計画していた頃のウブな私と在英数年経っての現在感じる違和感や気づきが変わってきたということです。

 

今日は意外と誰も口に出さないけど結構不便だな、日本だったら楽だよなと思うことをいくつかご紹介します。

 

プリントサービスが少ない・高い

日本ではコンビニに行けば基本コピー機があり、スマートフォンやUSBに保存したデータも好きなサイズの紙に印刷可能です。しかも白黒一面であれば1枚10円。20枚プリントアウトしても200円・・・実質£1強。安すぎる。(改めて英ポンド換算して感動。)

 

イギリスにはいわゆる日本にあるようななんでもショップのコンビニはございません。コンビニ的な役割を果たす小さいなグローサリーショップはありますが、手に入るのは食材や日用品が少しずつ、あとはタバコ関連。ATMもあるところもあります。日本のように温めたりお湯を入れて食べられるおいしいポトフやらカップラーメンはほぼないし、電子レンジやポットなどももちろん置いてありません。それでもうわかるかと思いますが、コピー機はもちろん置いてありません。

 

プリントをしに行くとしたらRymanという文具ショップ。直でRymanショップに行って店舗のメールアドレスを教えてもらってプリントして欲しいデータを送信すると、それをプリントアウトしてくれます。パスポートや重要書類をデータにしたい時にはスキャンサービスなども行っています。ただ、高い!!

 

スキャンサービスの値段ですが、10枚ほどスキャンを頼んで£6.7でした。日本円で1,200円超え。これは物価とかの比ではない・・・。

 

また、"Printt"というアプリで前日や数時間前にプリントオーダーを頼んで店舗に取りに行くか、お家までデリバリーしてもらうことも可能です。これもこの前10枚弱のプリントを頼んで、かかったのは£5.38(=¥976))。高すぎる!最近はあまり定期的にプリントアウトをしていませんが、もし伴奏の機会があったり、楽譜を大量コピーしなければならない状況が度々ある人は、そこまで高くないプリンターを購入してしまうほうが、確実に安上がりだと思います。1000円払ったら簡単計算・一万枚コピーできてしまう国、日本から来た場合の格差ギャップとショックは計り知れない!苦笑

 

こちらがPrinttの画面⇩

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本屋が少ないし、楽譜は置いていない

東京出身の私は、本屋さんに溢れた(?)学生時代を過ごしました。というのも、どこの駅に降りてもある程度の規模の本屋さんがあって、興味ある本や知りたい分野の本をすぐ手に取って試し読みができました。古本屋さんで知らないジャンルの本や、普段手にとるような本ではない素敵なインテリアブックや海外の絵画集などに巡り会うこともありました。

 

ただ、イギリスにいると、なかなか本屋に巡り合いません。いや、正確にいうと、チェーンの本屋さんであるWaterstonesは結構各地にあり、内観もとても綺麗で居心地がいいのですが、売ってる本はだいたい最近需要があるようなAmazonランキングで上位にある本たちが主流。Self-esteem系、Business本は人気です。また、教育系も日本と違い、もちろん英語学習や現地の子ども向けの教育本などはありますが、日本のように色々な著者・研究者が凝って売り出している参考書みたいのはあまり見かけません。どちらかというとOxford University Pressなどの出版社が出している公式っぽい本たちが立ち並びます。ちなみに小説分野では、日本の(世界の)村上春樹もMURAKAMIと呼ばれ、とても有名な立ち位置にいます。また、古本屋のかわりになるのは、OxfamやBritish Heart Foundationなどの寄付でなりたっているショップです。

 

日本では大きな本屋さんには、音楽コーナーに全音社など有名どころの音楽出版社の楽譜が揃えてある場所もあります。また、楽器店に行けば基本楽譜たちの宝庫。小さい子供達向けの横向きの楽譜から大人向けの全音の青い楽譜まで種類はそれぞれ。それらよりマニアックな楽譜や輸入楽譜は音大の楽譜屋さんや楽器店でお取り寄せを頼むか、音楽図書館で借りてプリントアウトかと思いますが、基本どこかで楽譜の中身を見てから購入することが可能なことが多いです。

 

でもロンドンに楽器店は少ないし、楽器店は楽器に特化していることがほとんどです。また本屋で楽譜を見たことはなく、少し夢を持って都心部の有名な本屋さん、Foylesに行きましたが、音楽や芸術コーナーには有名な音楽家などの自伝や楽器の弾き方などの本ばかり。楽譜は見つからず、痺れを切らして本屋店員さんに聞いたら、楽譜は置いていないと断られてしまいました。残念。ピアノ講師を始める直前、どんな楽譜がここでは手に入れられて使われているのかを知りたくて中身を見たかったのですが、もう諦めてAmazon大先生に頼り、Bestsellerとなっているテキストをシリーズごとにいくつか購入しました。あとは、これまで生徒たちが別の先生で使っていたという楽譜をみて知識を増やしたり、音楽講師がディスカッションを行っているFacebookグループにはかなり助けられています。

 

もしイギリスで楽譜を探しているときに1番使えるオンラインショップはこちら。Musicroomです。もしよかったらぜひ!

www.musicroom.com

 

 

 

 

文具が高い

これは全ての物価が高いのでなんともいえないのですが、文具も日本では普通の人でもコレクターになってしまうくらいいろんな種類・色のペンが揃っていて、使いやすさも格段にいいのですが、イギリスでは文具は高いし、高い値段を払うほど書き心地も良くないのが現実。

 

イギリスでも日本製のペンはかなり人気です。とくにトンボ(Tombow)やゼブラ(Zebra)、お馴染みPilotのFriXionなど。ですが、お値段は倍以上。参考にFriXionの黒青緑赤の4本セットを確認すると、4本で£9.44。本日のレートが£1=¥181.46なので、だいたい1,700円!!!一本430円くらい。日本ではいくらなのでしょうか・・・イギリスで一本購入するのに日本で3本変えてしまうような気がしてしまいます。(200円未満のようなイメージでしたが。)

 

Frixion Pens pack of 4 on Amazon UK

日本より手書きで何かを記入する必要性を感じないのが現在のイギリスなので、需要もだいぶ違うと思います。

 

ピアノ講師として思うのは、小さい子供たちに教えるときにモチベーション付けとして、良き弾けたときにシールもしくはスティッカーをあげたりするのですが、また高い!し、あまり可愛いのがない。可愛いものを買おうとしたらそれなりに払わなきゃいけないって感じです。

 

最近購入した可愛いPaddington Bear, baby shark, Minion, Peppa Pigのスティッカーたちがこちら。可愛い!!

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合計合わせて£7.49でした。日本円換算で1,360円。ひゃー!欧州もしくは米国に住んでいる方はみんな同じ意見かもしれませんが、円安の今は円換算すると心抉られるのでやめた方がいいです。まあたまに気になってしてしまう人がほとんどだと思いますが。こういう文具品などは日本帰国する機会あったら大量手に入れてしまうのが得策かもしれませんね。

 

 

 

〜〜〜番外編〜〜〜

出張レッスンの需要が高い。

ピアノ講師目線と記載したので、ここに小さく記載しますが、お家にピアノ講師に来て欲しいというご家庭が本当に多いです。

 

私も出張レッスンも(交通費別途)しているので、これは"文句"ではない・・・🙊ですし、いい面もあるのですが、私の感覚(東京出身の元音大生の感覚)からすると、結構おどろきというか、カルチャーギャップのような気がします。

 

日本では、家庭教師を雇う人もいますが、どちらかというと子どもたちが学校も習い事も近い場所に自分で通う・習い事のみ親が送ることがほとんどかと思いますが、イギリスでは子どもたちは基本的にティーンネイジャーになるまでは基本家族もしくはナニーと外を出歩くのが基本。外を出歩くのだけではなく子供達だけで家にいるものよく思われていません。実際に外を歩いてみて感じますが、子どもたちだけで歩いているのはほぼ見かけない。基本大人と一緒です。その影響から、習い事を外でやる場合も家族の誰かが送り迎えをしなければならないため、負担が大きいのが、出張レッスンが好まれている1番の理由でしょう。

 

ただピアノ講師としては、保護者にレッスン料と同じだけの時間料を交通費として払っていただくわけにもいかないので、交通費と出張の時間を考えて交通費を多少多めに別途請求したとしても、自分の元に生徒が足を運んで交代交代にレッスンを行える方が時間的効率も収入もあがります。そのため、どうしても通える生徒を優先することになり、最近はありがたいことに生徒も徐々に増えてきているのでなかなか出張レッスンの新しいリクエストに応えづらくなってきた状況です。

 

出張レッスンの需要が高いという面のいい場所は、たとえば自宅にピアノセッティングや人を迎えられるような部屋がなかったとしても、実力と経験さえあれば講師を始められるということ。これは講師を始める上でだいぶ敷居が下がりますし、人によっては出張をすることで場所を変えて仕事ができるのでリフレッシュができるという人もいます。確かに、毎日家にこもって人を迎えているより、たまに外に行く機会がある方が外の空気や日光に触れて気分がよくなることを感じます。ロンドンは特に多くの若者がフラットシェアで住んでいるので、そういったように家に外から人を迎えにくいシチュエーションでも出張講師として仕事を始めやすい環境にあるでしょう。

 

 

 

あとがき

文句っていったん喋りだすと止まらない人も多いと思いますが、今回の投稿はその結果といった感じになってしまいました。物価も高ければ収入もそれなりにあがるし、文句は言いつつもピアノ講師として生きていけているので問題はないです。笑 ただ、もっと便利になって欲しいとは思う!ペーパーレス社会になっていくのは受け止めますが、音楽家はペーパーが必要だ!ってことですね。

 

まさかの長文投稿になりましたが、「イギリスのここに文句がある」一般バージョン(日本人目線)や旦那目線(ロシア人目線)などもやってみたいな、なんて思いました。

 

ではではまた。