現実と理想の狭間で〜ロンドンの日常

イギリス・ロンドン在住の20代。ロンドンで出会った夫と二人暮らし。芸術と旅行好き。本を楽しみたい。

ロシアのテレビドラマ『The Boy's Word: Blood On The Asphalt/Слово пацана』を見た

私は夫の母国語であるロシア語を勉強しているので、やっぱり語学を勉強するなら生きた言語を聞きたいと、英語の字幕で見れるアニメや映画はないのかと夫によく聞く。ロシアのコンテンツは今の社会情勢の影響もなくはないが、もともとあまり海外に向けて売られていないのが事実で、なかなか探すことができない。見つけることができたとしても、だいたいはかなり古いソビエト映画だったりアニメだったり。海外でロシアの映画を見る人たちも、中央アジアとか旧ソビエト連邦の国の人たちが多く、彼らは日常的にロシア語を使っていてロシア語に字幕は必要がないし、英語話者からの需要はあまり高くないようだ。

 

これまで私が見たことがあるロシアのコンテンツは上述のようにかなり古いソビエト時代のものが多いので、比較的新しめのものはないのか、と夫にしつこく聞いたところ、あちこちネットで探し回ってついに、最近最も話題になっていたロシア発のギャング(ゴプニク)ドラマ『The Boy's Word: Blood On The Asphalt/Слово пацана』の英語字幕を見つけてくれた。この字幕ももちろん、公式のものなどではなく、情熱のある一個人(いつもこういう方々には感心する)が個人的に英語に訳して英語字幕を作ったものだったが、夫曰くよくできてる字幕で違和感はなかったとのこと。

 

『The Boy's Word: Blood On The Asphalt/Слово пацана』のあらすじ

The Boy's Word: Blood on the Asphalt (Russian: Слово пацана)

『The Boy's Word: Blood On The Asphalt/Слово пацана』は2023年に放映されたTVドラマで、ロシア国内外、ロシア語話者の中でかなり話題になった。このドラマで使われているサウンドトラックもかなり有名になり、いろんなソーシャルメディアで使われていたので、いくつかすでに聞いたことのある曲もあった。

ストーリーの舞台は、ソビエト末期、ペレストロイカ期のロシア連邦タタールスタン共和国のカザン。ロシアでは、若者ギャングのことをゴプニクということが多いが、ソビエト末期の時期に経済が悪化し、貧しく荒れ果てた社会のせいで、この若者ギャング集団の力が強くなっていた。このストーリーのメインキャラクターたちはまだ中高生から20代前半で、ほとんどがまだ学校に通っている。また、年上の者の中にはアフガニスタン紛争に従軍して戻ってきた者もいる。また、コムソモールと呼ばれた、ソビエト連邦共産党の青年組織もでてくる。

 

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エピソード1では、真面目な優等生でピアニストのアンドレイが、若者ギャングメンバーのマラットと知り合い、そして友達になることから話が始まる。彼らの最初の出会いは、バスの中でマラットが理不尽にアンドレイになぐりかかる場面なのだが、アンドレイはその後学校の英語の先生に呼び止められて、英語の成績がとても悪い生徒がいるから教えてやってくれと頼まれて、仕方なくいやいや会いに行ったらいたのがマラットだった。真面目に静かに優等生として生きてきたアンドレイだったが、友達だと思っていた同級生もいつのまにか若者ギャング集団の一員となり、アンドレイを蹴ったりお金をたかってくるようになる。あまりにも理不尽な社会に苛立ちを覚え、アンドレイは個人的に仲良くなって放課後に一緒に遊ぶようになったマラットに彼のグループの集まりに連れて行ってくれと頼む。しかし、アンドレイは違いすぎるとマラットはそれを勧めないが、結局アンドレイはマラットの後をついて、若者ギャング集団の集まりに行き、メンバーになりたいと申し出る。入団の儀式(?)として、マラットが名指しされ、アンドレイと殴り合いをさせられる。アンドレイはもちろん地面に叩きつけられて横になるが、諦めない。それを見て、アンドレイは正式に仲間になった。ここから、真面目な優等生だったアンドレイの若者ギャングとしての成長と変化とマラットとアンドレイの友情、アフガニスタンから帰ってきたマラットの兄で若者ギャング集団のリーダーであるボーヴァ(ウラジミール)の兄弟関係、若者ギャング集団の強い仲間意識と絆、警察との戦い、などが描かれる。

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ここでは、ギャング集団のメンバー以外の弱い男の子のことを、「チュシパン」と呼んでいて、すでに死語と化していたこの言葉がこのTVドラマでまた知られるようになった。

 

結構ショッキングできついストーリー

若者ギャングたちはそれぞれ縄張りを持っていて、グループ名がそれぞれあり、だいたいのグループは本当の大人のマフィア(やくざのようなもの)の配下にいる状況だ。ギャング集団同士はそれぞれの政治があって、つねに暴力沙汰を起こしているわけではない。「チュシパン」と呼ばれるギャング集団に属していない優等生や弱い男子などにお金をたかったり、物をとったり、お店から物を盗んだり、道を塞いで通ろうとする車の運転者にお金をたかったりそんなことをしている。それが、どんどん悪い方向に進んでいくのが、この物語で、誰かが喧嘩をふっかけられたり、間違って殺されたりした時にギャング集団同士の戦争がはじまる。こう言った戦争は血生臭い。

このストーリーには、若者ギャング集団のメンバーである息子と、その親たちの葛藤、また彼らの恋愛ストーリーも描かれる。シリーズの後半、マラットとアンドレイたちが、あるおじさんが持っているビデオプレーヤーを盗む。それがきっかけで、全てが悪い方向に進んでいく。特に、マラットの彼女に起きたことはもう、私があまりにショックを受けて、見終えてから1ヶ月ほど経った今でも思い出すと気が重くなるほど引きずっているほどだった。ここはできたら見てほしい。

 

ソビエト末期の時代背景を知ることができる

たとえば、上記でビデオプレーヤーについて話をしたが、今から考えるとビデオプレーヤーを盗んだだけで、どんなに深刻なことが起きるだろうと思うかもしれない。実は、ソビエト時代ビデオプレーヤーは大変珍しい物だった。というのも、ビデオプレーヤーはソビエト圏内では手に入れることができず、従軍のために他の国に行っていた兵士たちがお金をはたいて手に入れて持ち帰ってきたもののみソビエト圏内にあり、このドラマででてきた男性もその1人だった。彼は、街中を歩いていくら払えばビデオを見せるから家においで、と叫んでそれでお金を稼いでいたのである。

また、マラットとアンドレイがアメリカ製のUSAの表記があるキャップをお店から盗み出すシーンがある。その頃、アメリカ製はかなり高価で、かっこいいと思われていたらしい。ある意味敵国なのに、不思議かもしれないが、ロシアは敵でありながらアメリカを羨むもしくは気になる存在として見ていることが多い。夫によると、ジーンズなどもかなり高価で人気のあったものだ。そして、初めてソビエト圏にできたモスクワのマクドナルドに大行列ができたのは、有名だ。

以下は初めてオープンしたモスクワのマクドナルドに関しての動画である。面白いので、ぜひ見てほしい。

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俳優たちが美しい

主人公のアンドレイを演じているレオン(Leon Kemstach)はもう本当に美少年。最初のエピソードで彼がピアノを弾いているシーンで、ああこれが主人公なら見甲斐があるし飽きないなんて思ってしまった。笑 そしてマラットを演じているルジル(Ruzil Minekaev)もアンドレイを演じている俳優よりは結構年上だが、別のタイプでかっこいい。そしてボーヴァ、イヴァン(Ivan Yankovsky)。男らしく、髭が似合っていてかっこいい。夫によると、若者ギャングメンバーを仕切っているマフィア、カシェイを演じている俳優、スラヴァ(Slava Kopeykin)は本国でかなり有名な俳優らしい。

 

そして女性陣!!俳優名たちは省くが、みんなそれぞれ違って美しい。個人的にはボーヴァの彼女が可愛くて好きだった。でも、マラットとアイグルの恋愛も愛おしくって、ちょっとアイグルがつんっとしているものよい。。笑

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というわけで、長くなってしまったが、とりあえずここまで。日本語で『The Boy's Word: Blood On The Asphalt/Слово пацана』について語っている記事も少ないとは思うので、貴重かも?日本のよくあるタイプのドラマとはだいぶ違う雰囲気だけど、とっても見甲斐のあるドラマなので、興味ある人はぜひ英語字幕を探してみてほしい!!!(ハッピーエンディングとはいえないので、そこは注意。)

 

 

ここまで読んでくださりありがとうございます。🎵

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