ほぼ3年ぶりに日本へ一時帰国した。これは私の親友の結婚式のためで、残念ながら夫は仕事上長い休暇が取れなかったので今回は私のみ、1週間という短期帰国となった。
久しぶりの「日本」、故郷である東京は、いろんな意味で進化を遂げていて、懐かしさよりも「新鮮さ」を強く感じた。海外に暮らしてから初めて気づく日本の良さは、細やかな気遣いの文化だ。雨の日に、結婚式に行くために必要なものを揃えるために友達と銀座に行った。店員さんから渡された紙のショッピングバッグには、濡れないようにビニールが被せられていた。そこに手書きで「Thank you☺︎」とすごく可愛らしく書いてくれた。ずっと日本に住んでいた時は、このビニールに大した感情を持たなかったが、こんな気遣いをされたのはイギリスであっただろうか、と逆カルチャーショックで、外国人観光客のように感動してしまった。そんな私を友達は、不思議な目で見て笑っていた。また、いろんな店員とのほんの数秒のやり取りの中にも温かさがあり、「〜しましょうか?」と自然に提案してくれるやわらかい日本語が懐かしく心地よかった。ある日、持ってきていたローファーのかかとがかなり削られていたので、靴直しに持って行った。つま先側もすこし剥がれてきていて、かなり履き潰していたものなので、すこし状況がよくなってもう少し履き続けられればいいかな、という気持ちだった。靴直しのお店の人は、よくローファーの状況を見てすごく言葉を選びながらいろいろ説明をしてくれて、できるだけのことはします、と言ってくれた。何時ごろにできるか教えてくれて、靴磨きもしてくれると言った。受取時間のギリギリ前に着いたら、ちょうど磨いてくれているところだった。カードで支払いをする際にも、たった2千円弱しかしないのに「一括払いで大丈夫ですか」と聞かれた。もしかしたら、いつもこれを聞いていたらなにも感じないけれど、ほぼだいたい「はい」と言われるだろう質問も省かないで言うこの文化はすごく日本だなと思った。そのほかにも、「〜円、受け取りました。」「〜円のお釣りのお返しになります。」「レシートは入りますか?」といった言葉がすごく新鮮に感じた。イギリスでは”It's £---."、"Receipt?"、"Thank you!"などと1単語やすごく短い文章で会話が終わることがほとんどなので、ある意味外国人にもわかりやすいが、こう言うのには文化の違いと言語の違いが出るなあと感じた。

日本のショッピングモールや駅ビルも改めて本当に便利だと感じた。建物の中に小さな店がぎゅっと集まり、上の階までびっしりと店舗がある。ロンドンではショッピングエリアでもほとんどの建物が1〜2階までしか使われず、まず店の数が少ない。大都市であるロンドンで思い出せるショッピングモールといえば、高級デパートのHarrods、Selfridges、あとJohn LewisやFenwick、Westfieldsくらいだろうか。本当に両手で数えられるくらいの数である。駅ビルなんてものは存在しない。その反対で、日本にはあちこちの駅にショッピングモールがついているし、ショッピングモールとは言わないまでもカフェや雑貨屋さんなどがくっついていることが多い。新宿渋谷、銀座日本橋などの中心部に行けば、数えられないほどのデパートやショッピングモールが立ち並んでいる。日本では都市部に行けば欲しいものがすぐ見つかるし、外食にも困らない。この密度と利便性は本当に日本らしい。

そして何より驚いたのは、外国人観光客と働き手の多さだった。コロナ直後の静けさが嘘のように、街中でいろんな言語が飛び交っていた。私が行ったのが、銀座、日本橋、浅草などのいわゆる観光スポットだったというのが大きいとはいえ、2023年の年明けに行った観光スポットと比べて変貌ぶりに驚いた。銀座や浅草では、日本人をもはや見かけないのではないかと思うくらい道には外国人が溢れていて、ここは日本なのか?と疑問に思うほどだった。そして、行った日本食レストランや犬カフェなど、あちこちの場所でひとりは外国人労働者と思われる店員さんを見かけ、すごく流暢な日本語を話していた。日本も少しずつ「マルチカルチャー化」しているのだと感じた一方で、ロンドンのように変わっていくのではないかという不安もある。外国人が増えることは良い面も多いが、「日本らしい日本」が失われてしまうのではという懸念もある。それでも、外国人にとっては働きやすい環境が整い始めているのかもしれない。日本の海外からの移住者に対してのビザや制度についても今後調べてみたいと思った。日本の文化をしっかり分かった上でそれをリスペクトしてくれる素敵な外国人移住者が増えることは海外に遅ればせながらも、新しい日本の発展に繋がると思う。この環境であれば、もしかしたら夫も数年日本を経験してもいいのかも、数年の日本移住はどうだろう、なんて気持ちも芽生えた。
ただ同時に、自分が今回感じた「完璧で美しい日本」は、あくまで休暇中の日本だとも思う。私は数年ぶりに帰ってきた、招かれた客であり家族や友達はできる限り私の予定に合わせてくれて、久しぶりに会った時の喜びは私が日本に住んでいた時のそれと全然違うのである。また、実際に働くとなれば話は別で、ワークライフバランスや自由度という点ではイギリスの方が暮らしやすいだろう。日本を美しく整えている“暗黙のルール”が窮屈になって、多くの日本人を海外に向かわせている理由の一つなのかもしれない。
それでもやっぱり、日本は特別な国だと、改めて思う。美しい国であり、日本への帰国はすごくエキサイティングで、日本を出発する時は涙がこぼれ落ちそうになる。今回は長く待たずに夫と共に年末に帰国をする予定なので、とくに寂しさは感じず、とてもわくわくしている。
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