この本は、私が読書習慣をつけようと踏み出すずっとずっと前に購入していた本でKindleのライブラリーにずっと私が戻ってくるのを待っていてくれたもの。もしかしたら私がまだ大学院生の時に買ったのかもしれない…と今、アマゾンの履歴を確認したら、購入したのは2021年2月だった。まさに、大学院5ヶ月目、イギリスに移り住んで5ヶ月目の頃。私の記憶力も悪くはないんだな、なんて思った。確か今回Kindleを開いた時4割くらいは読み進めてあったが、もうしばらく前のことなのでしっかり最初から読み直そうと最初から読み始めた。
読書記録
タイトル・『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』
著者・樺沢紫苑
フォーマット・Kindle
読書期間・2025/08/09-08/20
著者の樺沢紫苑氏の本業はもともと精神科医で、精神科医として日本の労働効率と日本人の精神的な健康を向上するために、どう仕事効率を上げながら十分な休息と娯楽時間を得るか、実用的に説明されている。時間術、と言うタイトルだが、その時間の集中力を高め仕事効率と仕事の質を上げることが主なメッセージだ。
私の好きなところは、仕事と娯楽(好きなことをする時間や交流の時間)のバランスについてよく書かれている部分で、日本人にありがちな仕事で頭がいっぱいになって仕事を家に持って変えるような、仕事人間生活を否定していること。著者がアメリカの研究機関で働いていた時のことを振り返って、アメリカ人は仕事と家庭や交流の時間をしっかり分けていることが書かれているが、これは私が住むイギリスにも共通したところで、それがある意味イギリスに住んでいる中の気に入っているポイントだ。最近はイギリスやアメリカでも、ファイナンスやITテックの会社で結構働かされて、夜中まで家で仕事をしているなんてことも耳に挟んだりするが…まだこれはよくある話ではない。私はイギリスに移り住んでから、日本で働いている友達がそれこそ仕事人間のように休日もあまり充実した休息を取れていないことをたまに聞いて、少し残念に思うし、心配になる。そんな人にぴったりな本ではないかと思う。
樺沢紫苑氏は代の読書家として知られているそうで、読書についても’能動的娯楽’として、強く勧められている。前に読んだ、斎藤孝氏の『読書する人だけがたどり着ける場所』にも共通する内容が少し入っている。
Kindleのフォーマットでは244ページで、1日少しずつ移動時間や、少し他の読書に疲れた時の気分転換にこの本を読んで、だいたい2週間弱かけて読んだ。
以下、覚えておきたいポイントを箇条書きでまとめておいた。
理解すべき事実
・日本は主要先進国七カ国で労働生産性最下位、効率が悪い分長時間労働でカバーしている
・休日に普段と同じことをすると身体も脳も余計に疲れる。普段してないことをするのが身体を休め脳を活性化させることにつながる
・緩急のつけた生活をしないと病気になる。時間術で生まれた時間を仕事に当ててはならない。「自由時間」を仕事時間に振り向けると、際限なく仕事時間が増えていく。空いた時間を自己投資に向けて自己成長を促そう。
・ある研究によると、ビジネスマンが探し物に費やす時間は1年に150時間
集中力が高い時間をどう利用するか
・「脳のゴールデンタイム」起きてから2-3時間は脳のパフォーマンスが1日でも最も高い
・仕事は文章を書く・資料や決算書を作るなど「集中仕事」とメッセージのチェック・コピーを取る・電話をする・来客対応などの「非集中仕事」に二分類できる。「集中仕事」を朝にやると効率が上がる
・「二次元時間術」集中力(仕事効率)×時間=仕事量
・睡眠時間を削ると翌日の集中力が下がるので、仕事効率が下がり時間の収支がマイナスになる
・集中力を高めるには「制限時間を設ける」残業すればいいやと思っていると集中力も効率も上がらない。人は追い込まれると脳内で集中力・学習能力を高めるノルアドレナリンが分泌される⇨制限時間を決めてストップウォッチを使うといい(アラームだと集中力が高まってる時にアラームが鳴りやすい)
・運動することでBDNF(脳由来神経栄養因子)とドーパミンが分泌され、集中力、記憶力、思考力、作業遂行能力などがあがる
集中力の敵・雑念をどう扱うか
・集中力の敵は雑念、雑念が排除された状態が集中した状態
・一旦途切れた集中力が戻るのに15分かかる
・目標が達成されない未完了課題の記憶は、完了課題の記憶に比べて想起されやすい「ツァイガルニク効果」進行形の出来事は脳の記憶スペースを占拠するが、完了した出来事は綺麗サッパリ消去される
・とにかく残念が出たら書き出して、忘れる。もしそれでも雑念を振り払えないのは、前頭葉が疲れているから。前頭葉を活性化するには「日光を浴びる」「運動する」「咀嚼する」
緩・自由時間の過ごし方
・時間術で生まれた自由時間は「自己投資」、「能動的娯楽」、「楽しむ」ために使うべき
・娯楽には受動的なもの(テレビやゲーム)と能動的なもの(読書、スポーツ、楽器の演奏、チェスや将棋などのボードゲーム)がある。
・アメリカ人は自分を大切にし、家族を大切にし、その上で全力で仕事に臨むので、気力や体力も充実していてパフォーマンスが高い。一方日本人は、自分を犠牲にし,家族を犠牲にし,その上で仕事を頑張るので、精神的・肉体的に疲弊していてパフォーマンスが低い
・人間の脳は、視覚情報の処理に脳のキャパシティの9割を使っている。なので休憩時間に視覚を使うと脳の休みになっていない。脳の休憩をするには視覚以外の感覚を刺激する。簡単に脳を休める方法は「目をつぶる」視覚情報が遮断されると脳は休息モードに入る。
・夜は交流をしてリセットするといい。人と交流することによってオキシトシンが分泌され、「愛し、愛されている」感覚を実感することができる。オキシトシンには細胞修復作用、免疫力亢進作用などがある
・緩急のリズムを作るのが大事
娯楽をどうスキルアップに繋げるか。
・本をよく読む人は集中力が鍛えられ、テレビをよく見る人は集中力が低くなるという研究結果がある。
・何が悪いかというと、テレビをつけたままにし興味もないテレビ番組を見たりすること。録画をして、見たいもののみを見る。また、アウトプットを前提にして見れば、集中力を使い、スキル向上に役立つので能動的娯楽に変換される。
・インプットをしたら必ずアウトプットをする受動的娯楽を減らし能動的娯楽を増やす。
・自分の仕事につながるスキルの勉強をする
人間の体内リズム・周期を理解する
・概日リズムcircadian rhythm 24時間周期
・「ウルトラディアンリズム」脳は90分の周期で覚醒度が変化している。覚醒度の高い90分と眠気の強い20分が交互に訪れるサイクルが脳にある
・睡眠のサイクルや胃の蠕動運動も90分のリズムがある
時間別に仕事効率を上げる方法
朝
・朝起きて頭がボーッとしているのは、まだ副交感神経が優位だから。朝が苦手な人に朝シャワーがオススメ、体温を上げて体の血流も良くなり交感神経優位にする。
・朝日を浴びると睡眠と覚醒をコントロールするセロトニンという脳内物質が活性化する。セロトニンは「脳のオーケストラ指揮者」
・セロトニン神経が弱った状態が長期化し、セロトニンの分泌が悪化することが「うつ病」。セロトニンは「癒し」「リラックス」「平常心」に関する脳内物質で、低下するとイライラしたり怒りっぽくなる。
・テレビは情報の嵐、朝起きた時の脳は整理された状態なのにテレビを見ることで乱雑な脳に変わってしまう。朝のゴールデンタイムを長く活かすためには、余計な情報を入れずにあえて情報遮断すること。
・セロトニン回復には「リズム運動」と「咀嚼」がいい。ただ同時に言語脳を使ってしまうとセロトニン活性効果が弱まるため、本を読みながらや仕事をしながら食べるのはよくない。
集中力が切れた時・夕方
・「歩く」「移動する」「場所を変える」と「場所ニューロン」が活性化し、海馬全体が活性化し記憶力が増強する。海馬とは記憶の一時的保管庫。
・いつもと違った行動を取る時、脳内でアセチルコリンが活性化する。「創造性」や「ひらめき」に効果がある
・仮眠は絶大な脳の疲労と集中力の回復効果があり、病気の予防にも効果的。NASAの研究によると、26分の仮眠で仕事効率が34%、注力が54%もアップした。1日20-30分が効果的で1時間以上は悪影響。
夜・寝る前
・ご飯は寝る2時間前までに取るべき。出ないと成長(疲労回復)ホルモンが分泌されない
・寝る前は記憶のゴールデンタイム。余計な情報を入れないようにする
・時間がなくても運動はするべき。成長ホルモンを分泌するし睡眠も深くなる。
