鑑賞投稿続きになりますが、4月明けにずっと楽しみにしていたオペラ『カルメン』を観にロイヤルオペラハウスに行ってきました。
オペラは人生で10回弱見に行ったことがありますが、ロンドンのロイヤルオペラハウスで見るのは今回が初めてでした。これまで見たことあるのは、日本で『オテロ』『イーゴリ公』などとオーストリアのウィーン国立歌劇場で『アイーダ』、ドイツのベルリン国立歌劇場で『魔笛』。
結婚してからはクラシック音楽初心者の夫も楽しめるようにわりと初心者ウケの良さそうなものやドラマチックで面白い演目を探していて、ロイヤルオペラハウスの『カルメン』の広告を見た時にこれはぴったりだと思ってチケット購入を決意。だけどオペラハウスはオペラもバレエもほとんどの席が£200~で高いんですよね🧐いい席を2人分確保するのは高すぎるし、3時間近く立ち見で高層階から鑑賞できるほどエネルギーもないし、やっぱりある程度しっかり見える位置にいたいというわがまま条件で、バルコニーの2列目の席2枚(1席£132)を購入しました。いい経験のためには仕方ないと腹をくくる💸💸💸笑
入場前にオペラハウスに飾ってあるポスターをパシャリ📸シンプルなのにすごくカルメンらしさが出ていていいポスターだと思いません?😆
こちらがバルコニーのB列の席。角度がよく舞台が見えるので満足度は高い。ただ、1列目の人たちが前のめりになってしまうと一気に視界が遮られてしまうので最初オーケストラが序曲を演奏し始めた時に前のカップルが指揮者を見ようと前のめりになった時には焦った😀こういうのはオペラが始まっても続いていたら声かけるべきだと思うけどそういうのは臆病なのであまりしたくないから、少し経って普通に背中を背もたれにつけてくれた時は安心しました笑
字幕はそんなに見やすくはないけどまあ読める大きさ。私はもともと目がいい子供で常に視力検査では両目1.5を出していたんですが、やっぱり年とともに(まだ20代!!)衰えがあるのかたぶん1.0~1.2くらいまでは落ちているようで、遠いキャプションを見る時は少し目を細めてしまいます。
席は小さいしスペースは狭いけどまあどこのシアターもこんな感じです。シアターとかオペラハウスあるあるなのが、空調問題。開演前はオーブンなのかと思うほどあったかくて(暑すぎ)汗をかいてどうしようかと思ったら、開園後少しずつ冷え込んできて途中から何か羽織を欲しくなるんですよね。結構ドレスアップしてる人だとノンスリーブのワンピースとか着ている人もいたし、私だったら凍えてしまうと思いました。空調コントロールどうにかしてほしい( ◠‿◠ )
席は見る限りほぼ満員!1人ほとんど£200近く払っていると思うと、1夜でどれくらい売り上げているんだろう、なんて考えてしまいました。観客の持っているコートやジャケット、バッグのクオリティがよさげでみなさまかなり余裕がある人が多いんだろうなと感じました。夫も素敵なジャケットで現れたものの、この空間では1番庶民…と寂しそうに呟いていました。笑 でももちろんカジュアルな格好でスニーカーで来てる人もいるしドレスコードもほぼないので気軽に行けるような雰囲気もあるので興味ある人は怖がらないでぜひ行ってみてくださいね☺️ ちなみに私はブラウスにテイラードパンツでスマートカジュアル(オフィス着ぽい)で行きました☺️
公演は一言で言って、\\素晴らしかった!!!🤩//
私が見に行った日のキャストはカルメンがロシア出身のアイグルアクメシュナ(Aigul Akhmetshina)、ドンホセ役がポーランド出身のピョートルベスザラ(Piotr Beczala)、エスカミーリョ役がリトアニア出身のコスタススモリギナス(Kostas Smoriginas)、ミカエラ役はウクライナ出身のオルガクルチュンスカ(Olga Kulchynska)でした。
ロイヤルオペラハウスがカルメンの上演が始まる数週間前に行ったInsightというワークショップではアイグル、ピョートル、オルガの3人がインタビューで並んでカルメンに関して話しているのですが、みんな本当にゴージャス!夫(ロシア出身)と見ていて、そしてこんなに揃いも揃って東欧(スラブ系?)のメンバーで、みんなロンドンの世界を代表するオペラハウスで集まって英語で話し合ってるのが面白いねという話をしていました。やっぱり東欧の方々(特にクラシック音楽は)才能豊かなんだななんて感心してしまう。
主役のカルメンを演じるAigulはこの公演では27歳(最近28歳になった)でこれから!というオペラ歌手ですが、もうカルメンはいろんなプロダクションで何回も演じていて、とても堂々としていて板についていました。彼女はインタビューで『カルメンはリハーサルができない。カルメンの人生を毎度生きないといけない』と話していて、演じるたびにカルメン本人になったつもりで生きているのがすごいな、そしてだからこそ力強く観客の心に刺さっているのだろうなと思います。
個人的には、私がテレビなどで見てきたどのカルメン役の人たちよりも好きで、彼女はすでに私のお気に入り歌手になりました( ◠‿◠ )カルメンはフランス語で言うfemme fatale(ファムファタール)で男性にとっての運命の女且つ男を破滅させる魔性の女の代表的キャラクターで、よくイメージするのはセクシーで男を狂わせる悪女のような感じだと思うのですが、Aigulが演じるともう少し小悪魔のような可愛らしさもあるカルメンでそれでいて力強く独立した女というのがとてもリアルで好きです。今回は現代風のプロダクションだったのですが彼女のカルメンを別のプロダクションでも見てみたいなと思いました。
今年の1月までアメリカのメトロポリタン歌劇場でカルメンを演じたのがYouTubeに載っていたので貼っておきます☺️こちらもピョートルのペアです🤩今回のロイヤルオペラハウスよりもより現代的なちょっとギャルお姉さん?のようなカルメンの衣装も可愛いです。
登場人物の衣装がどれもカラフルで可愛い🧡🩵💜
見に行った日からもうかなりAigulの動画をYouTubeで漁って見尽くしてしまったのですが、これがその中でもお気に入りなのでぜひ気になる方は見て欲しい!!これはHYDE PARKのオープンスペース会場で行われたコンサートで、こんな間近で聞けた観客にジェラシーを感じてしまうほど素晴らしい動画です。
やっぱりオペラって最高だけど、オペラハウスは結構音を吸収してしまうのでいつかリサイタルホールのような小さなスペースのコンサートで彼女の声に包まれたい…なんて思います。笑
あまりにもAIgulに夢中になってしまって他の歌手のことを全然触れていないのですが、それぞれ素晴らしかったです。ドンホセ役のピョートルはとても安定感のあるテノールでしっかり会場の奥まで声が届いていて、とても気持ちいい歌声でした。情熱的な男というよりは、真面目でお堅くて恋愛に不慣れなドンホセという感じがとても出ていてそれも好感度ありました。やっぱり小さい頃に見ていた感覚と大人になってから見る感覚もやっぱり違う気がするし、違う演者さんと違うプロダクションで雰囲気が変わるなと思います。
ミカエラ役のオルガも素晴らしいソプラノでした、が、どうしてもカルメンのストーリー上ミカエラにあんまり気持ちが入らない(多分仕方ない)ので印象が強く残っているかといえば微妙です。あとエスカミーリョ役のコスタスは、歌は素晴らしかったけどわりとこもった声の持ち主なのか、もう少し声が届けばなと少し物足りなかった気がしました。これは夫も同じ感想でした。でもやっぱり満員のオペラハウスに声を行き渡らせるのって至難の業ですよね。彼のToreadorはYouTubeに載っているので、貼っておきます😀この時のプロダクションの衣装とても素敵です。
というわけで、結構ぐだぐだになってしまいましたが汗汗
ロイヤルオペラハウスのカルメン鑑賞レビューでした♡とにかく最高だったので、高いと思ったチケットも完全に安く感じるくらいいい経験ができたので、おすすめです( ◠‿◠ )
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